ホルモンやスジ肉の灰汁抜き

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仏教の影響で肉食の歴史が短い日本人にはあまり馴染みはありませんが、肉にはロースやバラのように軟らかくて食べやすい部位の他にもスジ肉やテール、タンなど食べられる部位がたくさんあります。

硬かったり独特の臭みがあったり アク が強かったりすることが多いので、それぞれに合った特別な下処理が必要ですがその手間をかける価値は十分にあります。

ホルモン とは狭義では豚や牛の腸を、広義では正肉以外の内臓物を指します。

「放るもん」=「捨てるもの」という関西弁が語源という説まであるのですが捨ててしまうのはもったいない美味しさです。


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ホルモンやスジ肉の灰汁抜き

牛の副生物 下処理と食べ方

タン(舌) 皮つきの場合は熱湯に1~2分浸け、根元から舌先に向って包丁の背でこそげます。薄切りにして網焼きにします。 煮込みにする場合は皮を剥いた後たっぷりの湯にセロリの葉や人参の切り落とし、玉ねぎの皮などと一緒に入れ、粒胡椒、ローリエを加えて3~4時間下茹でします。脂肪が多いのでじっくりと煮込むと軟らかくなります。

ハツ(心臓) まわりの余分な脂肪や血の塊をこそげ落した後、スライスして塩水で揉み洗いし、冷水に晒します。タレに30分ほど漬け込んでから網焼きにします。 加熱しすぎると硬くなって旨味が抜けてしまいます。

レバー(肝臓) 血の塊や脂肪を取り除いた後冷水か3%程度の塩水に浸けて血抜きをします。水を取り替えて2~3回繰り返し、水気をよく拭き取ります。生姜やにんにくのすりおろし醤油、酒に浸けて下味をつけます。独特のクセがあるのでネギやニラ、セロリなど個性の強い野菜と合わせて炒め物にしたり、パン粉をつけて揚げ物にしたりします。生食は厳禁です。使った調理器具はその都度きれいに洗い、菜箸なども他の料理と共用しないように気をつけます。

ミノ(第一胃) 塩を振って揉み洗いし、屑野菜を入れた熱湯で1時間弱茹でます。水気を切ったら繊維に逆らうように包丁で細かく切れ目を入れます。食べやすく切ってからタレに漬け込んで網焼きにしますが、焼き過ぎると硬くなります。

ハチノス(第二胃) 黒い皮に強烈な臭みがあるので未処理の場合はぬるま湯に浸してから熱湯に浸け、きれいにこそげ取ります。真っ白になったら屑野菜を加えた熱湯で30分ほど茹でます。トマトソースでじっくりと煮込んだトリッパというイタリアの家庭料理が有名です。圧力鍋を使うと調理時間が短縮できます。

センマイ(第三胃) ひだの間まで流水できれいに洗い、熱湯で1~2分茹でてから冷水に晒します。鮮度のよいものは黒センマイといってこのまま調理しますが、灰色の見た目や臭いが気になるなら熱湯に浸けたままたわしで根気よく擦り、皮を剥がして白センマイにします。食べやすく切って塩胡麻油や酢味噌で和えます。

ギアラ(第四胃) 人参やセロリ、玉ねぎなどの香味野菜やレモンを加えた湯で3~4回茹でこぼし、さらに茹でてから塩水で揉み洗いしてぬめりを落とします。裏面に隠し包丁を入れて食べやすく切り分けます。脂肪が多く軟らかいので焼き肉や煮込みに向いています。 

マルチョウ(小腸) ヒモともいいます。内側の脂肪を丁寧に取り除き、塩でしっかりと揉み洗いした後熱湯で洗い流します。3~5cmくらいに切り分けて茹でこぼしたら、さらにねぎや生姜を加えた熱湯で1時間ほど茹でます。硬く脂肪が厚いので焼き肉にして歯触りを楽しんだり、じっくり味を染み込ませた煮込みにしたりします。

テッチャン(大腸) マルチョウと同じように下処理をしますが、マルチョウより硬いので茹でる時間は長くなります。下処理してぶつ切りにしたマルチョウとテッチャンを合わせたものが「モツ」として売られています。焼き肉や煮込みに。

テッポウ(直腸) マルチョウやテッチャンと同じです。硬いので小さく切って下味に漬け込んでから焼きます。煮込みにも。

テール(尾)余計な脂肪を取り除き、関節で切り分けて氷水に一晩浸けて血抜きをします。長時間煮込むとコラーゲンがゼラチン化してトロリと軟らかくなります。被るくらいの水と一緒に強火にかけ、沸騰したら火を弱めて灰汁を掬い、4時間以上煮てスープやシチューにします。

*牛の副生物はほとんどの場合下処理済みのものが売られています。念のため家でもう一度揉み洗いした後熱湯でさっと茹でて水にさらすと食べやすくなります。


豚の副生物 下処理と食べ方

タン(舌) 牛のタンほど皮が硬くないのでそのまま香味野菜と共に2~3時間茹でます。薄く切ってバター焼きや網焼きにします。下茹でしたタンをもう一度長時間じっくりと茹でて脂を抜き、味醂でゆるめた味噌に漬けて2~3日置いておくと美味しい味噌漬けになります。

ハツ(心臓) ブロックで売られることは少ないですがスライスしたものはよく見かけます。塩水でよく洗い、冷水に漬けて十分に血抜きをします。筋繊維が細く独特の歯触りがありますが味は淡白です。焼き肉や炒め物にしますが火を通し過ぎるとボソボソします。

フワ(肺) 毛細血管が縦横に走っているので。冷水に浸けて冷蔵庫に入れ一昼夜かけてしっかりと血抜きをします。その後冷たい水でしっかりと血液を洗い流します。ふわふわとした食感の中にコリッとした歯触りがあり、鉄板焼きやモツ煮、天ぷらなどが美味しいです。

レバー(肝臓) 脂肪や血の塊、血管を取り除き、3%の塩水か冷水に浸けて血抜きをします。2~3回水を取り替えながらしっかりと血を取り除きます。下味に生姜やにんにくをきかせると臭みが和らぎます。洋風に料理する場合は牛乳に漬け込む方法もあります。薄切りにして塩、胡椒、カレー粉で下味をつけフライ衣をつけて油で揚げたレバカツは子どもでも食べやすいです。

ガツ(胃) 茹でて売られていることがほとんどですが、それでも揉み洗いした後熱湯を回しかけてから冷水に取り、水気を拭いて使います。生の場合は開いてから余分な脂肪を取って塩揉みし、塩を洗い流してからねぎや生姜と一緒に熱湯に入れて5分ほど茹で、ぬるま湯で洗って脂を洗い流します。薄いそぎ切りにしてねぎや生姜を加えた好みのタレで和えます。酢の物にしてもいいです。

マメ(腎臓) 薄皮を剥がして縦半分に切ります。内側の血管や血の塊、脂肪、白い管状の尿管を徹底的に取り除き、赤いい部分だけを切り分けます。2~3回冷水を取り替えながら血抜きをし、さらに香味野菜を加えた熱湯で5分ほど茹でてから使います。炒め物や和え物、煮込みなどに。

モツ(ホルモン) 一般的にはヒモ(小腸)とシロ、豚テッチャン(大腸)を合わせたものがモツとして売られています。下処理したものがほとんどですが、使う前にもう一度赤唐辛子、酒を加えた熱湯で茹で、流水で揉み洗いして臭みを抜きます。生の場合は牛の腸の下処理と同じです。独特の臭みのもとは脂肪なので丁寧に取り除きます。最も味がよいとされるテッポウ(直腸)は、ガツ、盲腸、ヒモ、シロと合わせて「白モツ」とよばれます。

コブクロ(子宮) 軟らかく淡白なので流水でよく洗ってから軽くボイルするだけで使えます。煮込み、和え物、網焼きなど。


牛スジ肉の下処理

牛スジ肉は硬くて臭いと敬遠されがちですが、肉の旨味が詰まった美味しい部位です。コラーゲンが豊富で長く煮込めば軟らかくトロトロになります。ただし、脂肪が多くアクも強いので丁寧な下処理が欠かせません。下処理が終わったら砂糖と醤油で甘辛く煮たり、味噌ににしたり、焼き肉のタレを水で割って煮込んだりしても美味しいです。

1.まず流水で表面の汚れや血を洗い流します。このとき取れる脂肪は取り除きます。

2.鍋にたっぷりの水と牛スジ肉を入れ、強火にかけます。蓋はしません。

3.沸騰寸前に火を弱め、浮いてきた灰汁を取り除きます。

4.ある程度灰汁が取れたらざるにあげ、流水で牛スジ肉を洗います。

5.鍋をきれいに洗い、牛スジ肉を戻して水を注ぎ、ねぎの青い部分と生姜の薄切りも加えてもう一度火にかけます。

6.3~5を繰り返して水が濁らなくなったらきれいな鍋に牛スジ肉と被るくらいの水、カップ1杯の酒、ねぎの青い部分、生姜の薄切りを加えて中火にかけ、沸騰したら弱火にして蓋をし、コトコトと牛スジ肉が軟らかくなるまで煮ます。圧力鍋を使うと時間を短縮できます。

7.一晩おいて表面に白く固まった脂を取り除きます。

8.スープは濾して冷凍保存できます。

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