今や「妊活」は女性だけの問題ではありません。
晩婚や高齢出産が増加する現代において、妊活は男女に共通するテーマとなりつつあります。
そして「葉酸」は妊活にとって欠かすことのできない栄養素の1つです。
ここでは、男性 の妊活と葉酸の関係や、葉酸のもたらす効果について詳しくご紹介します。
妊活男性も葉酸を摂って夫婦で妊活をしよう
不妊症の半分は男性に原因がある!?
ひと昔前までは、不妊というと女性側に非があると一方的に決めつけられてしまうケースがほとんどでした。
そのため、なかなか子供に恵まれない女性の中には、周囲の人間からの心無い言葉に傷つけられる人も少なくありませんでした。
しかし、不妊に関する研究が進むにつれ、不妊の原因は女性だけでなく男性にもあることが分かってきました。
現在では、全不妊カップルの50%は男性側に原因があると言われています。
この事実を男性(夫)が知らないために、女性(妻)が一方的にプレッシャーをかけられてストレスを抱えてしまうケースも珍しくありません。
そのため、妊活を成功させるためには、まず最初に「全不妊カップルの50%は男性側に原因がある」という事実を知っておく必要があると言えます。
年齢と共に精子も老化する
女性の場合、年齢を重ねるごとに卵子が老化することは今や常識となりつつあります。
しかし、男性の精子も同様に老化するということを知る人は、残念ながらまだ多くありません。男性不妊専門委で、獨協医科大学越谷病院泌尿器科主任教授・岡田弘医師の研究によると、一部の男性では35歳を境に精子の力が落ちることがわかっています。
また、海外の研究などでも、加齢は精子を育てるホルモンや細胞、そして精子そのものの数を減少させることや、DNAが損傷している精子を増加させることが報告されています。
つまり、すべての男性が該当するわけではないにしろ、年齢と共に精子も着実に老化していくと言えます。そして、
精子の老化は卵子の老化と同様に、不妊の原因になりうると考えられているのです。
男性不妊をチェックするには?
・自分で精子を観察してみる
精子を観察できる「精子観察キット」を使えば、自宅で簡単に自分の精子を観察することができます。
もちろん、正確な数を数えたり、精子の状態をこと細かにチェックしたりはできませんが、どの位の数の精子が精液中にいるのか、精子が元気に泳いでいるのか程度は見ることが可能です。
男性不妊チェックのファーストステップとしてはおすすめの方法です。
・専門の機関で検査を受ける
正確な診断を得るためには、専門の医療機関で検査を受ける必要があります。
「何科を受診すれば良いか分からない」と戸惑う人も多いようですが、男性不妊の検査は泌尿器科で受けることができます。
また、最近は男性不妊の専門外来を設けている病院もあるため、インターネットなどを使ってそうした病院を探してみるのも良いでしょう。
泌尿器科や男性不妊専門外来では、精液検査・内分泌検査・染色体検査などを行い、男性不妊であるかどうかや、不妊の程度などを調べます。
妊活に不可欠な栄養素「葉酸」
女性だけでなく、男性も年齢を重ねるごとに生殖能力は低下します。
ある意味「自然の摂理」ともいえるそんな状況に歯止めをかけてくれるのが「葉酸」です。
葉酸には、細胞の分裂や増殖を促す効果があります。
加齢が進むと、細胞の分裂や増殖がスムーズに行われなくなり、精子の数が減少して不妊になったり、染色体に異常のある精子が生まれやすくなったりします。
しかし近年は、葉酸を摂取することで、それらのリスクを低減させることができると考えられているのです。
そのため、妊活を意識している男性、特に35歳以上の男性は、積極的に葉酸を摂取することが推奨されています。
「葉酸」を摂取するにはどうすればいい?
18歳以上の男性は、妊活中である・ないに関わらず、1日あたり240ナノグラムの葉酸を摂取することが奨められています。
葉酸は豚や牛などのレバー・ほうれん草・枝豆・アスパラガス・モロヘイヤ・いちご・アボカドなどに多く含まれています。
毎日の食生活にこれらの食材を意識的に取り入れるだけでも、葉酸の摂取量を増やすことは可能です。
しかし、毎日毎日食物からのみ十分な量の葉酸を摂り続けるのは簡単なことではありません。
そんな時におすすめなのがサプリメントです。ドラッグストアに行けば、様々な種類の葉酸サプリメントが売られています。
どれを選べば良いか分からない人は、薬剤師に相談してみると良いでしょう。また、葉酸には相性の悪い薬や食べ物・飲み物があります。
代表的なものはカフェインやアルコールです。
これらの飲み物は葉酸の働きを弱めてしまうので注意が必要です。
そして、常用している薬がある場合は、サプリメントを購入する前に、必ず薬剤師に飲み合わせに問題がないかを確認するようにしましょう。